高屈折率材料の産業利用に向けた分子設計指針と開発動向および各種応用展開
~屈折率材料におけるトレードオフ解決に向けた有機無機ハイブリッドフィラーの設計、超高屈折率無機材料の発見と技術革新への期待~
★2026年1月19日WEBでオンライン開講。京都大学 田中氏、関西大学 工藤氏、東北大学 石井氏が、【高屈折率材料の産業利用に向けた分子設計指針と開発動向および各種応用展開~屈折率材料におけるトレードオフ解決に向けた有機無機ハイブリッドフィラーの設計、超高屈折率無機材料の発見と技術革新への期待~】について解説する講座です。
■注目ポイント
★高屈折率材料の分子設計指針、屈折率材料におけるトレードオフ解決に向けた有機無機ハイブリッドフィラーの設計、超高屈折率で透明な無機材料と期待される技術革新について解説・紹介!
- 第1部 京都大学 大学院工学研究科 田中 一生 氏
- 第2部 関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授 工藤 宏人 氏
- 第3部 東北大学 大学院工学研究科 石井 暁大 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況(講師より)
★熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、およびUV硬化性樹脂材料として応用されるポリマー材料は、その高屈折率特性が求められています。熱硬化性樹脂材料に代表される眼鏡レンズは次世代の屈折率が1.8以上の世界を目指し、熱可塑性樹脂材料に代表されるマイクロプラスチックレンズ材料は、次世代に1.7以上の屈折率の開発が求められています。また、液状のUV硬化性樹脂材料は、次世代の屈折率は1.6以上の材料が求められています。これらのことは、産業界では強く求められていますが、学術研究の成果は産業での利用には直結していないのが現状です。
★より高屈折率な透明材料があれば、光制御が高度化します。特に、少子高齢化が進む日本では、高度な自動運転技術やデジタルツインの広範な普及が待望されており、その実現には近赤外域で透明な超屈折材料により感度や視野角が革新された測距センサーが必要であります。
■注目ポイント
★屈折率の原理、その測定法、産業利用に可能な高屈折率材料の分子設計指針を踏まえ今後の高屈折率材料の開発指針について解説!
★高分子薄膜の低屈折率化と耐熱性・剛直性、高屈折率化とアッベ数というトレードオフ関係を両立するためのPOSSフィラーの設計について解説!
★超高屈折率を示す近赤外域で透明な物質とそこから期待される技術革新や実用化に向けた課題について紹介!
講座担当:牛田孝平
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 有機無機ハイブリッドフィラーの設計開発と屈折率材料におけるトレードオフ解決への応用
【時間】 10:45-12:00
【講師】京都大学 大学院工学研究科 田中 一生 氏
【講演主旨】
シリカの立方体構造を有するPOSSをフィラーとして高分子に導入することで、熱安定性の増強等、様々な機能を付与できる。今回、樹脂材料の高・低屈折率化のための分子フィラーについて、POSSを用いた研究について概説する。特に、それぞれ高・低屈折率化において相反し易い他の物性パラメータとの両立について、フィラーの分子設計指針を説明する。また、置換基により作成法が異なる修飾POSSの合成についても詳述する。
【プログラム】
1.POSSの合成および同定法
1-1 八置換アルキル・アミノPOSSの合成
1-2 同定法
2.樹脂の剛直性・耐熱性向上のための分子フィラーへの応用
2-1 これまでの研究紹介~ハイブリッド化との比較
2-2 高分子の耐熱・機械的特性向上
1) PS,PMMAの熱的・機械的特性の変化
2) DSC,TGA,動的粘弾性による測定
2-3 応用:高分子の屈折率制御
2-4 樹脂の低屈折率化と機械的特性の両立
1) 低屈折率高分子の背景
2) 低屈折率材料の課題
3) POSSによる樹脂の耐熱性・機械的特性向上
4) 低屈折率化のためのPOSSフィラー開発
5) 低屈折率化と機械的特性向上の両立のためのフィラー設計
2-5 樹脂の高屈折率化と安定性向上
1) 高屈折材料の産業的意義
2) 高屈折率を示す高分子
3) 硫黄含有高分子複合材料
4) 高屈折率材料開発における課題
5) 高屈折率・高アッベ数のための理論的背景
6) 硫黄含有有機-無機ハイブリッドの開発
【質疑応答】
【キーワード】
分子フィラー・ハイブリッド材料・かご型シルセスキオキサン・POSS・透明高分子・屈折率・耐熱性向上・トレードオフ
【講演のポイント】
POSSはシリカの最小単位とみなすことができ、混合によりハイブリッド材料が得られる。本講演では、高分子薄膜の低屈折率化と耐熱性・剛直性、高屈折率化とアッベ数というトレードオフ関係を両立するためのPOSSフィラーの設計について説明する。
【習得できる知識】
低・高屈折率高分子の現状・ニーズ・分子設計、ハイブリッド材料の概要と課題、かご型シルセスキオキサン(POSS)の用途・合成、分子フィラーの設計、耐熱性・剛直性の評価の実例
【第2講】 高屈折率材料の分子設計指針(前半:基礎 / 後半:応用)
【時間】 13:00-15:10
【講師】関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授 工藤 宏人 氏
【講演主旨】
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、およびUV硬化性樹脂材料として応用されるポリマー材料は、その高屈折率特性が求められています。熱硬化性樹脂材料に代表される眼鏡レンズは次世代の屈折率が1.8以上の世界を目指し、熱可塑性樹脂材料に代表されるマイクロプラスチックレンズ材料は、次世代に1.7以上の屈折率の開発が求められています。また、液状のUV硬化性樹脂材料は、次世代の屈折率は1.6以上の材料が求められています。これらのことは、産業界では強く求められていますが、学術研究の成果は産業での利用には直結していないのが現状です。
屈折率の原理から、その測定法および、産業利用に可能な高屈折率材料の分子設計指針を解説し、今後の高屈折率材料の開発指針について解説する。
【プログラム】
【基礎編】
1.ポリマーの屈折率の測定方法
1-1 屈折率の原理
1-2 アッベ数
1-3 測定方法
2.高屈折率ポリマーの開発例
2-1 プラスチックレンズ材料の開発例
2-2 ストランドの作成方法
2-3 マイクロレンズへの応用
3.高アッベ数ポリマーの分子設計
3-1 原理
3-2 分子設計方法
【応用編】
1.含テルルポリマーの合成と屈折率特性
1-1 合成法
1-2 性質
1-3 屈折率と性質
2.含ヨウ素ポリマーの合成と屈折率特性
2-1 合成法
2-2 性質
2-3 屈折率と性質
3.ケイ素元素を有する高密度なポリマーの合成と物理的特性
3-1 合成法
3-2 性質
3-3 屈折率と性質
【質疑応答】
【キーワード】
高屈折率、マイクロプラスチック、眼鏡レンズ、UV硬化性樹脂材料
【講演のポイント】
高屈折率材料の開発は、学術的研究と産業開発的研究には大きな隔たりがある。多くの学術的研究成果があるにもかかわらず、マイクロプラスチック、眼鏡レンズ、およびUV硬化性樹脂材料における高屈折率化は30年程度更新されていない。
今後の高屈折率材料の開発の方向性と重要性について理解を深めることができる。
【習得できる知識】
・高分子の屈折率の原理
・屈折率の測定方法
・高屈折率材料の開発の重要性
・高屈折率高分子の分子設計と合成方法
【第3講】 近赤外光センシングを高精度化する超高屈折率で透明な無機材料の発見
【時間】 15:20-16:35
【講師】東北大学 大学院工学研究科 石井 暁大 氏
【講演主旨】
より高屈折率な透明材料があれば、光制御が高度化する。特に、少子高齢化が進む日本では、高度な自動運転技術やデジタルツインの広範な普及が待望されており、その実現には近赤外域で透明な超屈折材料により感度や視野角が革新された測距センサーが必要である。本講座では、高屈折率な透明無機材料の設計指針や、その指針のもと量子化学計算で見出した、これまで未踏だった超高屈折率を示す近赤外域で透明な物質について説明する。さらに、それにより期待される技術革新や、実用化に向けた課題も紹介する。
【プログラム】
1.高屈折率な透明材料の社会的重要性
1-1. 原理
1-2. 光学薄膜
1-3. より高屈折率な材料を適用する効果
2.高屈折率な透明無機材料の開発
2-1. 先行研究
2-2. 材料設計指針の構築
2-3. 見出した候補材料系
2-4. 量子化学計算による近赤外域で透明な超高屈折率材料の発見
2-5. 近赤外域で透明な起源
3.近赤外域で透明な超高屈折率材料の応用にむけて
3-1. 期待される技術革新
3-2. 合成にむけた検討
3-3. 合成した材料の特徴
3-4. 応用への課題
3-5. 今後の研究課題
4. おわりに
【質疑応答】
【キーワード】
高屈折率無機材料、材料設計、量子化学計算、近赤外光利用、自動運転、デジタルツイン
【講演のポイント】
一般的な光学材料とは異なる無機物質系が、未踏だった超高屈折率を示す近赤外域で透明な物質になり得ると発見した。ここでは、その物質設計や発見した物質、および、それにより期待される技術革新や実用化への課題を紹介する。
【習得できる知識】
●高屈折率な透明物質の設計指針
●発見した超高屈折率透明物質系の光学特性とその起源
●超高屈折率透明物質の応用先とその課題