気体分離膜のガス透過メカニズムと水素分離膜の最新動向
~人工光合成プロセス、表面修飾ゼオライト膜の性能、モジュール開発と設計のポイント~
★2025年8月26日WEBでオンライン開講。山口大学 田中 一宏 氏、東レ株式会社 小野 久美子 氏、三菱ケミカル株式会社 堀江 秀善 氏の3名が気体分離膜のガス透過メカニズムと水素分離膜の最新動向について解説する講座です。
■注目ポイント
★大学の講義ではほとんど扱われていない膜を用いたガス分離法について、その基礎と概要を解説し、膜による水素分離の技術開発動向についても解説!
★逆浸透膜(RO膜)研究を行ってきて培った精密界面重合技術や構造解析技術、それらの知見を活かして研究開発中の最新の水素分離膜・モジュール技術について紹介!
★人工光合成プロセスの概要を説明し、水素酸素混合ガスを安全かつ高効率に分離可能な表面修飾ゼオライトの膜性能等を詳細に紹介!
- 第1部 山口大学 大学院創成科学研究科 循環環境工学分野 教授 田中 一宏 氏
- 第2部 東レ株式会社 地球環境研究所/研究員 小野 久美子 氏
- 第3部 三菱ケミカル株式会社 Inorganic Materials Laboratory 主幹研究員 堀江 秀善 氏
【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURLについては、別途メールでご案内いたします。事前の配布資料につきましては紙テキストで郵送にてお送りいたします。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
セミナーに関するQ&Aはこちら(※キャンセル規定は必ずご確認ください)
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況
★水素は使用段階でCO2を排出しないクリーンな次世代エネルギー源であり、低炭素化・脱炭素化実現の選択肢の1つとして利用拡大が予想されている。
★水素精製技術の中でも膜分離法は相分離を伴わない分離条件で操作できることから、省エネルギー・省スペースなプロセスとして期待されている。
■注目ポイント
★大学の講義ではほとんど扱われていない膜を用いたガス分離法について、その基礎と概要を解説し、膜による水素分離の技術開発動向を解説!
★逆浸透膜(RO膜)研究を行ってきて培った精密界面重合技術や構造解析技術、それらの知見を活かして研究開発中の最新の水素分離膜・モジュール技術について紹介!
★人工光合成プロセスの概要を説明し、水素酸素混合ガスを安全かつ高効率に分離可能な表面修飾ゼオライトの膜性能等を詳細に紹介!
講座担当:枩西 洋佑
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン学習講座になります≫
【第1講】 気体分離膜のガス透過メカニズムと膜による水素分離の技術動向
【時間】 13:00-14:15
【講師】山口大学 大学院創成科学研究科 循環環境工学分野 教授 田中 一宏 氏
【講演主旨】
【プログラム】
1.膜ガス分離とはどのようなものか?
1-1 膜ガス分離プロセス
1-2 蒸留法、吸収法、吸着法との比較
1-3 膜ガス分離の適用例
1-4 透過係数とパーミアンス
1-5 分離膜の分離係数
2.ガス分離膜はどのようなものか?
2-1.膜の断面構造
2-2 非対称膜と複合膜
2-3 高分子膜モジュール
2-4 炭素膜
2-5 シリカ膜
2-6 ゼオライト膜
3.なぜ分離できるのか?
3-1 ガス分子の動力学直径と臨界温度
3-2 圧力差は分圧差
3-3 細孔のサイズと性質
3-4 分離ふるいと溶解拡散
3-5 溶解拡散と自由体積
3-7 ガス透過特性の比較
3-8 膜素材の比較
4.膜による水素分離
4-1 化学プロセスにおける実例
4-2 実証試験段階の例
4-3 その他
【質疑応答】
【キーワード】
低炭素化、水素分離、膜ガス分離、分離膜、高分子膜、炭素膜、シリカ膜、ゼオライト膜
【講演ポイント】
膜を用いるガス分離法は大学の講義ではほとんど扱われていない。本セミナーでは、膜による水素分離に関する研究発表を聴講する際に役立つと考えられる基礎知識を中心に解説する。
【習得できる知識】
・膜によるガス分離プロセスをイメージできる。
・素材の異なるガス分離膜のガス透過現象をイメージできる。
・関連学会でガス分離膜の研究発表を聴講するときに役立つ基礎知識を習得できる。
【第2講】 水素分離膜モジュールの開発
【時間】 14:30-15:30
【講師】東レ株式会社 地球環境研究所/研究員 小野 久美子 氏
【講演主旨】
水素は使用段階でCO2を排出しないクリーンな次世代エネルギー源であり、低炭素化・脱炭素化実現の選択肢の1つとして利用拡大が予想されている。種々の水素精製技術のうち膜分離法は相分離を伴わない分離条件で操作できることから、省エネルギー・省スペースなプロセスとして期待されている。
水素分離膜においては、水素を含む混合気体から高純度の水素を効率良く得るために、高い水素透過性と、その他の気体との高い分離性が求められる。そこで、当社の水処理膜、特に逆浸透膜(RO膜)研究で培ってきた精密界面重合技術や構造解析技術を深化させ、水よりもサイズが小さい水素の精製に適用可能なポリアミド複合膜の研究・開発に挑戦した。
【プログラム】
1.はじめに
1-1 水素社会を見据えた取り組み
1-2 東レの分離膜
2.RO膜研究における技術の深化
2-1 ポリアミド膜とは
2-2 ポリアミド膜の精密構造解析及び構造制御
3.水素分離膜モジュールの開発
3-1 水素分離膜モジュールの設計指針
3-2 水素分離膜の設計ポイント
3-3 モジュール化の設計のポイント
4.水素精製・回収への適用
【質疑応答】
【キーワード】
低炭素化、脱炭素化、水素分離、ガス分離膜、分離膜モジュール、高分子膜、ポリアミド膜
【講演ポイント】
長年、逆浸透膜(RO膜)研究を行ってきて培った精密界面重合技術や構造解析技術、及びそれらの知見を活かして研究開発中の最新の水素分離膜・モジュール技術について、紹介する。
【習得できる知識】
・分離膜の構造解析手法に関する知識
・最新の水素分離膜技術の動向
【第3講】 人工光合成プロセスにおける水素分離膜とその特性
【時間】 15:45-16:45
【講師】三菱ケミカル株式会社 Inorganic Materials Laboratory 主幹研究員 堀江 秀善 氏
【講演主旨】
現在、多くの脱炭素技術が検討されているが、この中でも「カーボンネガティブ」となる可能性のある人工光合成が注目されている。本講演では、例として①水から水素酸素混合ガスを発生させるプロセス、②発生した当該混合ガスを水素と酸素に分離するプロセス、③分離された水素と二酸化炭素を原料にオレフィン等の有機化合物を合成するプロセスから構成される人工光合成を取り上げ、このプロセスを概観する。その後、このプロセスに必須で、水素酸素混合ガスを安全かつ高効率に分離可能な表面修飾ゼオライトの膜性能、これを水素酸素分離に適応した際のプロセス性能等を詳細に紹介する。また、ヘリウム分離等に適応した場合のプロセス性能などにも言及する。
【プログラム】
1.脱炭素技術と人工光合成
2.人工光合成プロセスにおける水素酸素分離工程が満たすべき要件
3.水素酸素分離膜としての表面修飾ゼオライト膜
3-1:CHA型ゼオライト膜と表面修飾
3-2:水素酸素分離性能
3-3:耐爆性能
3-4:人工光合成に適応した場合のプロセス性能
4.他の混合ガス分離膜としての表面修飾ゼオライト膜
4-1: 他の水素含有ガスへの適応
4-2: ヘリウム含有混合ガスへの適応
5.まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
人工光合成、膜分離、無機膜、ゼオライト、水素分離、ヘリウム分離
【講演ポイント】
人工光合成プロセス全体から水素酸素分離工程に要請される各種要件を前提に、これを満たし得る表面修飾ゼオライト膜の膜性能、プロセス性能を紹介する点。また、当該表面修飾ゼオライト膜を他の混合ガス分離に適応した場合にも言及する点。
【習得できる知識】
人工光合成プロセスの概要、分離膜に関する基礎的知識、ガス分離に関する基礎的知識(水素分離、ヘリウム分離等)